最近の本の話

佐久間裕美子、2019、『真面目にマリファナの話をしよう』文藝春秋.が8月8日に出版されます。

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佐久間さん、文藝春秋編集者のSさん見本をお送りいただきありがとうございました。

カンナビスト@関西の山本は1年ほど前にインタビューを受けまして、後半部分で反映されています。

 

著者の佐久間さんは、長年ニューヨークを拠点にエッセイ・ジャーナリズムの活動を行ってきた方で、本書でも軽妙なエッセイを切り口に、分かりやすく、かつ丁寧に議論が展開されています。

 

前半部分はM.A.LeeのSmoke Signals: A Social History of Marijuana - Medical, Recreational and Scientific, Scribner. (Smoke Signalsというタイトルは、90年代往年のファミリードラマのパロディですね)の社会史をベースにして、アメリカにおける大麻規制の歴史を丁寧に描いています。

ここでは、米国での大麻規制が人種差別問題と不可分であったこと、白人マジョリティの不安とポピュリズムが、戦前から60年代ごろまで流通していたことが指摘されています。

 

中盤は、著者の独自取材によって得られた、現代的な「グリーンラッシュ」の様相が描かれ、後半部分では米国と日本の状況が対比的に語られています。

 

これまで、幾つかの本が日本でも出版されてきました。本作品は大きな概要としては、これまで日本語で出された書籍を土台としながらも、より現代的な、米国政治の議論に入り込み、日米の文脈を考察するのに有益な好著だと思います。

 

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