マリファナ・マーチの歴史

マリファナ・マーチは1999年以降に世界中で、大麻への処罰を軽減/撤廃しようという主張と共に行われてきました。

2015年大阪のマリファナマーチは8月2日正午から服部緑地公園で開催されます。

マリファナマーチ2015 Osaka - cannabistyのブログ 

 

欧米では現在、EU圏の大部分の国で大麻の少量所持によって懲役刑を科されるということはなくなり(オランダが有名ですが、例えばスペインやポルトガルでも事実上の合法化が行われていて罰則は適用されていません。デンマークなど他の国でも営利目的の栽培などを行っていなければ罰金等の軽い行政罰が適用される場合が多いです)、米国でも西海岸のほぼ全域と一部東海岸において、事実上の非犯罪化が進みました。

 

マリファナ・マーチは正式名称をGlobal Marijuana Marchと呼び、その名の通り世界中の72か国における800箇所で開催されていて、大きなものではトロントのGMM(↓)が有名です。北米、南米、欧州、オーストラリアなどで開催され、世界的にはかなり有名な文化的ムーヴメント/お祭り/社会運動であります。

f:id:cannabisty:20150720000737j:plain

日本では、当初市民団体のカンナビストが中心となって、1999年から東京、大阪、札幌などの都市で開催されてきました。

マーチは決して、奇想天外な集まりではなく、単に最近の研究からコカインや覚せい剤、あるいは一部の危険ドラッグといった本当に有害性の高いドラッグと大麻は異なることが判明し、これはアルコールやタバコと同じように社会的にコントロールの可能なソフトドラッグであるなら、そうしたものの利用者に、懲役刑という重大な罰則を適用するのは行き過ぎであると主張する、緩やかな文化的ムーヴメントでした。

そして事実、マリファナが合法化され、既に一般の店舗で売られているシアトルやオレゴンといった米国諸州やオランダ、あるいは古くから喫煙習慣のあるインドや中近東の一部地域やジャマイカ等において、マリファナを原因とする死亡事故や殺人などの重大な犯罪は認められないのです。

 

確かに、子供の喫煙をどのように防止すべきなのか、自動車運転の規制をどうすべきかといった論点はアルコールと同じくあり続けていますが、しかし現在の欧米では、だからといって個人の少量所持が懲役刑に値するのだという見解のほうが、かなり奇抜で、頑固なまでに保守的な(極端なプロテスタントの倫理を主張する宗教右派の)発想だと受け止められています。ここでの社会的討論の題材は社会的な教育や、課税方法や、医療用使用の方法や、公的な場での喫煙に対する罰金の可否であって、1グラムの大麻を個人が持っているだけで何年も刑務所に入るべきだなどと主張する人は、とても少なくなってきました。

 

こうした過去20年間における考え方の変化は、最近もナショナル・ジオグラフィックで特集されたような大麻への科学的研究の進展だけではなく、個人に過度の罰則を科すべきではないと考える、リベラルな若者たちのムーヴメントが大いに関係しています。そしてその内の一つが、Global Marijuana Marchであったことは間違いないのではないでしょうか。

f:id:cannabisty:20150720002902p:plain

 ヨークタウン、2014年マーチ

 

f:id:cannabisty:20150720002950p:plain

 アルゼンチン、2014年マーチ